赤い目赤い髪

世にも珍しい様な人間が迷い込んできた

ダンテがいつも座る椅子の後ろに置いてあるアラストル()

リュンシュはその剣を盗んでやろうと願う者

滅多にこんな行動なんて1回もした事がないのに何故だろうか

と次の瞬間剣は人間の姿になってしまう

 

「誰だ私を盗もうとした奴は・・・お前か!?」

「ちょっと待ってくださいよ、僕はただ盗みたくてこんな行動をしただけです」

人間の姿になったので驚いてしまった

悲しげに落ち込む

その悲しげな瞳を見つめ不思議に思うのは何故

夜空に浮かぶ月は半月

「盗むだけでも怪しいな。何故盗もうとした人間よ・・・許さん」

「僕は、そんな理由ないけどダンテさんが居ない隙に狙ってみただけです」

確かに正直に言えた口

口では話せない様な顔をしてしまうリュンシュ

静かに頭の中に宿るのは嘘だけ

アラストルはその顔を見て何気に手をリュンシュの頬に翳し

勇気をくれた様な事葉を挙げた

まるで真実を確かめ合うかの様だ

緩やかな星川の流れは乱れ行き話の途中泣き出しそうな瞳

誰にも頼らずこの眼差しは何処へ行くか

可愛らしい頬から手を離し次狙うは何?

行く手を阻むこの身体は倒れそうで支えてくれるのは居ない

居るとすれば現実でほしかった

生きる望みを放つ

「何故お前は私を盗もうとしたかその理由を話してはくれぬか?」

何故教えないか

何故正直に言えないこの口は駄目だ

手を掴んだ温もりも頬に翳し終えた手の温もりも何時の間にか忘れてた

後悔をして信じていても後悔をしてしまう様な声

「理由は・・・僕はただ遊び半分でやってみた、だけです!信じてください」

戸惑う

満月になるまで身体は起きない

何一つ笑う事を忘れてた

何時の間にか泣いて誰かの目の前で泣く僕

 

「何故盗もうとしたか分かったから泣くんじゃない」

無理な話

だって僕は

誰にも言えない秘密が有る

だから内緒のまま動いて死んで行きたい

綺麗さっぱり空の中に旨く逃げて

行きたい身体を誰も止めようとはしないから

「僕は女なのに全く信じてくれないと思ってました・・・ごめんなさいアラストルさん」

正直に誤れる時

僕の手をアラストルさんの頭を逆に撫でたい

笑い明かした誤り

断りのない千段の階段みたい

何処かへ立ち去りたい想いと共に黄昏みたいに

この音が消えるまでに

眠れない身体

 

デッサンを描く様な話を前に悩んだ

生きる事を信じない様子のまま行くのが怖くて

一歩動けば消える

僕は消えてしまう筈

「泣くな、お前に涙は似合わない」

「良く平気で言えますね・・・僕が女だからですか?疑ったりはしません」

疑いたい冷たい目線が来る

可哀相で可哀相じゃない顔をしている童顔みたいに

泣きたくても泣けない無理矢理微笑んだリュンシュ

でもこれは苦笑いだ

アラストルに苦しい思いがぶつかる

浅い傷浅い雨の音

鈍い反応で在る

奇遇と遭遇と笑って逃がしてみた

「とても・・・あー・・辛そうな顔をするな」

趣味は遠ざかってるのにも関わらず見た目は苦手だ

烏の大群は夜に関わらず飛んだ

何一つ笑う欠片は崩れるまま

オアシスが在る場所は無い

見つからない答えが見つからない想いは痛い

今一番悩んでしまう事だらけ

痛い頭を抱える癖はいつまで

続くのか

 

「どうしてアラストルさんは平気で言えるんです?僕は痛い・・・」

 

どうしても貴女の側に居ると辛く平気で居れる

迷い描いてしまう想像図

痛くて誰にも助けてもらえない命

放置されて悲しみの彼方

消える寸前笑い飛ばし翼のない身体は要らない

 

「お前は一人じゃない・・・痛い痛みを忘れるには、忘れるだけだ」

「どうして僕は一人なの・・・」

 

喜びに乾杯

悲しみにサヨウナラ

僕は一生一人のまま終わる

必ず生き返ったりはしないから

このまま寂しく消えた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

fin

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